プロでも対応困難 大谷の160kmは他の剛速球と何が違うのか

公開日: 更新日:

「いやね、球の質もいいんですよ」

 ある評論家がパ・リーグの打者何人かに聞いたそうだ。日本ハムのエースで、19日に「プレミア12」の準決勝(対韓国戦)に先発する大谷翔平(21)に関してだ。

「160キロを投げると騒がれてるけど、ただ球が速いだけなら、おまえらプロの打者はいくらでも打てるはず。なぜ、最多勝(15)と防御率(2.24)のタイトルを取れるのか」と。

 すると、冒頭のような答えが返ってきたというのだ。打者のひとりは、さらにこう続けたという。

「ただ速いだけじゃないんです。ストレートはスピンが利いていて、手元でホップするっていうのかな。球質も重い感じがします」

 大谷は今年がプロ3年目。ゆくゆくはメジャーに挑戦するにせよ、最低でもあと2、3年は日本でプレーするとみられている。にもかかわらず8日の韓国戦のネット裏には、多くのメジャースカウトが顔をそろえた。

 マイナーには160キロを投げる若手がゴロゴロいるというが、「大谷の最大の武器は回転のきれいな160キロ近いストレート、つまりフォーシームと、140キロ台のフォークです。シュートしながら沈む速球のツーシームが主流のメジャーでは、フォーシームが武器になる。中でもフォークを投げる投手にとっては、手元で沈むツーシームと反対の変化に見えるフォーシームが効果的。レッドソックスの上原のフォークが有効なのは、球速が140キロそこそこでもフォーシームにキレがあるからです」とは、メジャースカウト。

 大谷が米国で「いますぐメジャー挑戦すれば200億円の評価を受ける」といわれるのは、それなりの理由があるのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  1. 6

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 9

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 2

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー

  1. 6

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  2. 7

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  3. 8

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  4. 9

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  5. 10

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪