ヤクルト4位・中尾輝 女手ひとつで育て上げた母のド根性

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 しかし、母ひとりで家庭を支えるのは容易ではない。生活費だけでなく、野球を続けるための活動費や道具代を稼ぐため、早朝から日中は在宅介護のヘルパー、夜はスナックを経営してママとして働く毎日。「とにかく負けず嫌いで、お父さんのいる家庭と同じように立派に育ててやるんだ、と思っていたので、死ぬ気で働いた」と振り返る美恵さんだったが、あるとき、張りつめていた緊張の糸が切れる。

「平日は朝から晩まで働いて、土日は1時間かけて練習場に送り迎え。父母会にも参加しないといけなかったし、介護の仕事をしていたときは朝方5時ごろにオムツを替えに行ったりするので、体がすごくツラかった。あるとき、輝に『ごめんね、お母さんもう、いっぱいいっぱいで疲れちゃった。野球、やめてくれないかな……』と言っちゃったんです。そうしたら『いいよ』と。その言葉を聞いてハッとして。私の負けず嫌いが出てきて、そう言われると逆に『やってやる』と思ったところもありました。今でもそうですが、輝は一度も私に『痛い』とか『ツラい』と弱音を吐いたことがなくて。私が野球をよく知らないからかもしれませんが(笑い)」

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