ヤクルト4位・中尾輝 女手ひとつで育て上げた母のド根性

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「女手ひとつ」――。そのひと言では片付けられない苦労があった。

 愛知県名古屋市で中尾家の次男として産声を上げた中尾輝(22=名古屋経済大)。兄・翔さん(23)とともにすくすく育ったが、中尾が5歳のときに両親が離婚。母の美恵さん(49)が2人の息子を引き取った。サッカーに夢中だった兄に対し、中尾は野球に関心を持つように。野球を始めた春日野小学校4年のとき、キャッチボールをしようとした美恵さんだったが、ボールのスピードと威力に驚き、思わず逃げてしまったという。親子でのキャッチボールはその一度だけだ。

 桜田中学校に進学すると、「愛知津島ボーイズ」に所属した。美恵さんが言う。

「中学のとき、最初は学校の部活動で野球をやっていました。そのころ、私がダイエット目的で週1回、『大江ゴルフスクール』というところでゴルフを習っていたんです。練習嫌いだけど、コースに出るのは好きというタイプ。コンペにはよく行っていて、そこに偶然、津島ボーイズの監督と代表が参加されていたのがきっかけです。私のゴルフの先生も野球経験者の方で、『クラブチームに入った方がもっと野球が身に付く』と勧められて、輝に聞いたら『やりたい』というので入れることにしました」

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