菊池雄星の育成秘話 西武・小野和義投手Cが今だから明かす

公開日: 更新日:

 菊池は2年目の6月に一軍デビュー。それに至るまでの道のりには首脳陣の苦労もあった。

「肩のケガだけに、そこはしっかりとプランを練った。2年目は現在のコンディショニングコーチに相当するスタッフと相談しながら、球数を決めていた。最初の1カ月は1試合60球まで。順調なら次の月は20球増やして80球と、そんな感じだった。夏ごろに100球を放れるようになっていたよ」

■頭ごなしはNG

 紆余曲折もあった。聡明で弁も立つが、その半面、理屈先行、理論に偏りがちでもあった。自己啓発セミナーにハマり、周囲をアキレさせたこともあった。

「あはは……(力なく苦笑い)。それでも考え方を否定しちゃいけないんだよ。やってダメだったら、次はどうするかを考えればいい。ただ、雄星も頑固だからね。彼は一軍へのステップを5段階くらいに設定していた。それをひとつずつクリアして……と考えていたんだな。その考えを聞いて、『それは意味があるのか?』とか『その練習はプロではちょっと……』と思うこともあった。でも、そこで『その練習は違うだろ』と頭ごなしに言ったらダメ。ウチらコーチ陣を敬遠して、ますます意固地になっていただろうね。その場合、今の雄星があったかどうか……」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘