著者のコラム一覧
友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

野球文化の土台を腐らせるMLBの極端な“テレビマネー依存”

公開日: 更新日:

 しかし、年7億ドル(約748億円)で契約しているESPNと3・1億ドル(約330億円)で契約しているTBSはMLBの観客動員が5年連続で減少していることなどを懸念し、慎重な姿勢に終始している。そこで同コミッショナーは、プレーオフを拡大して各社が中継できる試合数を大幅に増やすことで、更改にこぎつけようともくろんでいるのだ。

■交渉のプロ

 交渉のプロである同コミッショナーは最終的に局側の要求も受け入れてESPN、TBSに関してもFOXと同レベルの上げ幅で更改にこぎつけるはずだ。それによって彼の地位は揺るぎないものになるだろう。

 もっとも、MLBのシーズンをテレビ局の意向に沿ったものにつくり変えれば、公式戦に通い続ける物言わぬファンたちの離反を招く可能性がある。なぜなら公式戦が8週間しかない一方で、プレーオフが5週間も盛大に行われることになれば公式戦は前座のような存在になり下がり、感情移入して応援する対象ではなくなるからだ。同コミッショナーはカネを生まないマイナーリーガーたちにも冷淡で、1000人以上を切り捨てた。こうしたドライな姿勢は目先の決算書を見栄えのいいものにするだろうが、歴史ある米国の野球文化の土台を腐らせてしまうような気がしてならない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢