阪神新人で開幕一軍 雑草右腕「一平ちゃん」の意外な評価

公開日: 更新日:

小川一平(阪神・投手1年目・23歳)

 名前と顔を覚えてもらうのは早いかもしれない。

 阪神は昨秋のドラフトで1位から5位まで甲子園を沸かせた有名高校生を獲得。育成(2人)を除けば6位の小川が唯一の大学生だったが、名前を知っている阪神ファンはほとんどいなかった。

 激戦区の神奈川では県立横須賀工業高で大した実績はなく、東海大学九州キャンパスに進学。2年時には主に抑えで11年ぶりの全日本大学選手権の出場に貢献。182センチの長身から投げ下ろす最速149キロの直球に鋭いカットボールや落差のあるチェンジアップがスカウトの目に留まった。

 在阪マスコミ関係者が言う。

「長身で腕も長く、子供の頃にやっていた柔道の影響なのか、体と関節が柔軟。やや2段モーションで、今は真っすぐが最速で154キロぐらいは出る。高校、大学は無名校で育ったので雑草魂があり、マウンド度胸もある。阪神選手はマスコミにちやほやされてつぶれるタイプも少なくないが、彼はそういうタイプではないですね。一平ちゃんといえば、カップ麺の焼きそばが有名ですが、球団は新人では唯一開幕一軍に残った小川を『一平ちゃん』として売り出そうとしている。最初は負け試合などでの起用になるでしょうが、首脳陣の期待が大きいだけに、そこで実績を積み上げればおもしろい。抑えの球児、八回スアレス、七回エドワーズに、岩崎や守屋という、いわゆる勝ちパターンの救援陣に入ってくるかもしれません」

 開幕カードで、いきなり奪三振ショーが見られるか。

【連載】コロナシーズン 無名選手の正体

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘