長嶋茂雄さんの「まさかの一言」で高級ブランドショップ店員は素っ頓狂な声をあげ目を白黒させた
僕は滞米も足かけ3年目。ガイドとしてあちこち案内したが、長嶋さんがお土産にバッグを買いたいと言い出した。それもオーストリッチだ、という。オーストリッチはダチョウの革。そのバッグは牛革の高級バッグより値が張る。そこでウエストパームビーチに行くことにした。ウエストパームビーチは有名な避寒地で金持ちや観光客が多い。そうした客を相手にしたブランドショップが並ぶ一画があり、その中の一軒に案内した。
長嶋さんは店に入るなり、オーストリッチの女性用バッグがずらりと並んでいる棚に近づくと、
「古賀、これ、日本円でいくらだ?」
と聞く。
値札を見ると日本円で当時の値段で1個10万円から20万円。長嶋さんにそう伝えると、
「よし分かった。これ、全部注文してくれ」
と棚に陳列されていたバッグを右から左までずーっと指さした。棚ごとバッグを購入したのである。長嶋さんのジェスチャーで店員も察したのだろう、
「ハァ」