長嶋茂雄さんはアタシの活力剤だった。優しい人であんなに情のある人はいません!
2009年掲載 浅香光代さんによる「腕と度胸は日本一」(第1回)を再公開
“燃える男”、“ミスター”の愛称で国民的人気を誇ったプロ野球元巨人監督の長嶋茂雄さんが6月3日、都内の病院で肺炎のために亡くなった。享年89。選手、監督として数々の伝説、逸話を残した「ミスタープロ野球」は、身近に接した誰もにそれぞれの「長嶋茂雄像」を強く印象づけてもいる。日刊ゲンダイの連載で多くの球界OBが語ってきたその実像を再構成して緊急公開します。
今回は女剣劇のスターとして君臨した浅香光代さんによる「腕と度胸は日本一」の第1回(2009年掲載)を再公開(本文中の年齢・肩書きなどは当時のまま)。
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長嶋(茂雄)さんは、その現役選手時代からあこがれの人。「命を懸ける」はあたしの口癖だけど、それはもう本当に「長嶋さん命」でね。
そんな長嶋さんとお近づきになれたのが長嶋さんが巨人の監督時代。赤坂の料理店で偶然、会ったんですよ。「あっ、長嶋監督!」と声を上げたら、出口に向かっていた監督が例の1オクターブ高い声で「はい~」と振り返って「ああ、浅香さんですね」と戻ってきてくださった。思わず「夢みたい。夢なら覚めなきゃいいわ」なんて言っちゃったわよ。