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宮崎紘一ゴルフジャーナリスト

短すぎるコースでバーディー合戦…これで「プロゴルファー日本一」を名乗れるのか

公開日: 更新日:

 1926年創設の「日本プロゴルフ選手権」は、国内最古の歴史と伝統を誇る大会だ。これまでは、毎年全国の異なる会場で行われ、ゴルフの普及に貢献してきた公式競技の一つである。

 その大会に、今年から3年間、物流・商事、貿易など幅広い事業を展開する「センコーグループホールディングス〈センコーGHD〉」(本社東京・江東区)が新たなスポンサーについた。大会名は「日本プロゴルフ選手権大会センコーグループカップ」となり、開催コースもセンコーGHDが運営する滋賀県の「蒲生GC」で2028年まで行われる。

 同GCはバブル突入前の77年に開場。27ホールの林間コースで、日本特有の2グリーンコース。比較的フラットでアマチュアが回りやすいレイアウトだが、難点は距離が短いこと。「日本プロ」も、6991ヤード、パー72。まるでパーシモン時代に戻ったような距離設定だった。

「短距離」を象徴するように、決勝ラウンドに残った66人中、優勝の細野勇策の15アンダーを筆頭に、10位タイまでの12人が2桁アンダー。アンダーパーは42位タイまでの45人と、「プロゴルファー日本一」を決める大会のバーディー合戦は、正直物足りなかった。

 トーナメントに資金を投じる企業としては、自社が保有するコースを会場にしたいのは当然だろう。主催の日本プロゴルフ協会は資金が乏しいため、スポンサーの意向に従わざるを得ない事情もわからないではない。ならば、「プロゴルファー日本一」を決めるという「看板」は下ろすべきだ。

 日本女子プロ協会は、「選手たちが世界に通用する実力をつけられるように」と、4日間大会を増やす努力を続け、ショット力を上げるためにピン位置も厳しくしている。「そこで鍛えられたことが大きい」と、昨年の全英女子オープンに優勝した山下美夢有は語っている。

 欧米コースに比べて国内のゴルフ場は総じて易しい。フェアウエーはボールが浮く高麗芝で、グリーンはきれいなベント芝がほとんど。営業優先のため、ホールレイアウトやグリーン形状も、米ツアーで見られるような厳しさはない。それでも女子プロ協会は「世界で戦える選手」を育てるという確固たる方針のもと、「何ができるか」を考え、実行してきたことが実を結んでいる事実を、男子ツアーの関係者はどう考えているのだろうか。

「コースがゴルファーを造る」とは、歴史上で唯一“年間グランドスラム”を達成したボビー・ジョーンズの言葉。そのジョーンズと親しく、国際的に知られたゴルフ評論家の故金田武明氏は、73年に発行した著書「近代ゴルフの概念と実戦」の中でこんな言葉を残している。

「コースがゴルファーを造る。という観念を推し進めていくと、日本のコースが日本のプロを造る。だから日本のプロが国際的に活躍するチャンスを日本のコースが邪魔しているともいえる」

 前週の全米オープンは、「人間の限界を試す」ようなコースで行われ、国内予選から出場した日本勢が手も足も出なかったことが、それを証明している。金田氏の言葉が生かされていないことが残念でならない。

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