横浜・織田翔希は承知しているの? メジャー挑戦を選んでも「労使交渉」次第で大金も希望球団もすべてパー
「新労使協定が期限までにまとまる可能性は50%以下」
しかしながら、「25歳ルール」を含む現行の労使協定は、今年の12月1日で失効する。現在、大リーグ機構(MLB)及びオーナー側と選手会側は新労使協定の締結に向けて交渉を重ねているとはいえ、期限の12月1日までにまとまる保証はどこにもない。新協定がまとまらない限り、ルール自体がないのだから、契約もできないし、新労使協定がいつ、まとまるかは予想がつかないという。
「現時点で新労使協定が期限までにまとまる可能性は50%以下と言われています。経営者側のロックアウト、もしくは選手会側のストライキに発展する可能性が高いということです」と、野球文化学会会長で名城大教授の鈴村裕輔氏はこう続ける。
「オーナー側は年俸総額の上限を定めるサラリーキャップ制の導入を求めています。MLBもオーナーも、これまで選手会が断固として拒否しているサラリーキャップ制が容易に実現するとは考えていません。拒絶されることが明白な要求を取り下げる代わり、選手会の求める最低年俸の引き上げ幅を抑えたり、機構が折に触れて提起している国際ドラフトを導入したりするための布石とも言えます」
機構やオーナー側にとって、国際ドラフトはサラリーキャップ制と天秤にかけるくらい重要なもの。選手会側にとっては死活問題につながりかねない制度だという。
「現行の25歳ルールは国際ボーナスプールの範囲内とはいえ、半ば自由競争で選手を獲得できる制度です。メジャーのドラフトは米国、カナダ、及び米国領の選手が対象ですが、それ以外の国や地域の選手もドラフトによって獲得することになると、例えば、これまでドラフト1位で指名されるはずの米国の選手は、国際ドラフトで1位クラスの日本人選手との比較になって評価を下げる可能性が出てくる。オーナー側にとっては米国以外の有望選手を自由競争でなくウエーバーで獲得できるようになり、米国のアマ選手は結果として既得権益を失いかねない。国際ドラフトが導入されれば、時期は米国同様2027年6月、あるいは日本の状況を視野に入れて27年の秋口になるかもしれません」(同)
国際ドラフトが導入された場合、“既得権益”を失いかねないのは織田も同じ。「5億円超」ともウワサされる契約金は「自由競争」の25歳ルールだからこそ。国際ドラフトのウエーバーになれば、米国のドラフト対象選手との比較にもなるわけで、金額も制限される可能性が高い。
なにより新労使協定が締結されない限り、海を渡れないし、新協定によって25歳ルールが維持されなければ、「5億円超」といわれる契約金もメジャー球団との“合意”もすべてパー。国際ドラフトが導入されようものなら、行きたい球団を選ぶことすらできなくなるのだ。
織田は「自分の意思で決める」というが、決断する前に現在のメジャーの状況をよく考えた方がいいかもしれない。


















