「晩夏光」池田久輝氏

公開日: 更新日:

 著者はこれまで、「グラス・マーケッツ」という朗読ユニットを主宰し、脚本を手掛けてきた。そして、ユニットのメンバーは女性ばかりだという。この環境が、作品にも影響を与えているそうだ。

<「男たちの群像劇としてのハードボイルド小説を書きたいですね」>

「女性にも好んで読んでもらえるようなハードボイルド小説を書きたいという気持ちがあるんです。男性が書く作品には、強烈なキャラクターの女性が登場することが多いですよね。とてつもなくセクシーだったり、男を癒やす女神のようであったり。でも、それって男の願望が形になっているだけで、そんな女性は実際にはいない(笑い)。女性が読むと違和感があるらしいです。だから、男性はもちろん女性にも、できるだけ感情移入してもらえる、リアルな、顔が見えるキャラクターを描いていきたいですね」

 すでに次回作に着手している。本作のキャラクターも、今後の作品に登場する予定だという。期待の新星の登場だ。
(角川春樹事務所 1600円)

◇いけだ・ひさき 京都府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。ウェブデザインなどの仕事をしながら、1998年、朗読ユニット「グラス・マーケッツ」を結成。“池田長十”名義で現在も活動中。2013年、「晩夏光」で小説家デビューを果たす。

【連載】著者インタビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動