「闇抜け」仁志耕一郎著

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「闇抜け」仁志耕一郎著

 連七郎は、亡き父の後を継ぎ、16歳のときから富山藩を貫く動脈、神通川にかかる舟橋を見張る番所で働いてきた。しかし、3年前に役を解かれて今は浪人の身だ。

 弘化3(1846)年5月、連七郎が呼び出されて重臣の寺西の屋敷に行くと、舟橋番所の元同僚4人もいた。再仕官の期待もむなしく、5人に言い渡されたのは密命だった。それも、越中薬売りになりすまし、蝦夷で集めた昆布を薩摩まで運び、清国から持ち込まれた唐物の薬の原料と交換して持ち帰る「抜け荷」をしろというのだ。抜け荷は、露見すれば死罪は免れないご法度だ。連七郎は病に伏す母と弟のため、密命を引き受け、仲間とともに蝦夷に向かう。

 命懸けで密命を果たす連七郎を描いた時代ロードノベル。 (新潮社 825円)

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