「フランクル『夜と霧』への旅」 河原理子著

公開日: 更新日:

 ユダヤ人精神科医ヴィクトール・フランクルがナチスの強制収容所での過酷な体験をつづった名著「夜と霧」。

 フランクルは作品を通し「人は運命に翻弄されるだけの存在ではなく、不条理を引き受け、運命に対してどんな態度を取るか決める精神の自由がある」と説いた。多くの日本人を支えてきたこの書が、どのように読み継がれてきたかに迫ったルポルタージュ。

 西ドイツの本屋で原著と出合い、翻訳者として日本に伝えた霜山徳爾や、生前のフランクルと親交があった心療内科医の永田勝太郎、そして震災後を生きる被災地の人々まで、作品から「生きる意味」を見つけ出した人々を取材。作家の人生にも迫りながら、その思想の源に迫る。(朝日新聞出版 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑