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「決定版日本の剣豪」中嶋繁雄著

 侍が「剣術」と称し、流儀を唱え始めるのは、将軍足利義政の時代だという。義政に仕えていた飯篠長威斎家直という人物が、刀槍の術を世に広めたのが始まりだ。下総に帰郷した長威斎は、香取神宮の境内で梅の木を相手に剣の修行に励み一流を編み出し「天真正伝神道流」と称した。

 この神道流の流れをくむのがかの塚原卜伝だ。卜伝の太刀の極意である「一ツの太刀」は、長威斎の弟子だった鹿島神宮の神官が創案し、これを卜伝の養父・塚原新左衛門がうけ、養父から卜伝へと伝えられた。将軍義輝まで門人にした卜伝の諸国巡行は、多くの従者が付き添い、大名行列のようだったという。

 そんな剣術の誕生から幕末まで、剣豪29人の生きざまと太刀筋を活写した評伝集。(文藝春秋 850円+税)

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