「振仮名の歴史」今野真二著

公開日: 更新日:

 普段、何げなく読んでいる振(ふり)仮名の知られざる面白さを伝えるテキスト。

 まずは「合図」に「サイン」、「匂艶」に「にじいろ」と振仮名を添えるサザンオールスターズの歌詞をはじめ、現代小説やコミックスなどを取り上げ、さまざまな役目を担う現代の振仮名の活躍ぶりを紹介。漢字・平仮名・片仮名・アルファベットといった複数の文字を使って日本語を書くことが振仮名と深く関わっているという。その上で、日本書紀につけられた振仮名を例に、「中国語を日本語として読む」ことが振仮名発生の契機であったことを紹介。

 以後、明治時代までのさまざまな文章を読み解き、その歴史を俯瞰(ふかん)しながら、当初は「読み」として発生した振仮名が次第に「表現」として使われるようになった過程を追う。

(岩波書店 1040円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動