「振仮名の歴史」今野真二著

公開日: 更新日:

 普段、何げなく読んでいる振(ふり)仮名の知られざる面白さを伝えるテキスト。

 まずは「合図」に「サイン」、「匂艶」に「にじいろ」と振仮名を添えるサザンオールスターズの歌詞をはじめ、現代小説やコミックスなどを取り上げ、さまざまな役目を担う現代の振仮名の活躍ぶりを紹介。漢字・平仮名・片仮名・アルファベットといった複数の文字を使って日本語を書くことが振仮名と深く関わっているという。その上で、日本書紀につけられた振仮名を例に、「中国語を日本語として読む」ことが振仮名発生の契機であったことを紹介。

 以後、明治時代までのさまざまな文章を読み解き、その歴史を俯瞰(ふかん)しながら、当初は「読み」として発生した振仮名が次第に「表現」として使われるようになった過程を追う。

(岩波書店 1040円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  2. 2

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    参政党は言行一致の政党だった!「多夫多妻」の提唱通り、党内は不倫やら略奪婚が花盛り

  5. 5

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー

  1. 6

    伊東市長「続投表明」で大炎上!そして学歴詐称疑惑は「カイロ大卒」の小池都知事にも“飛び火”

  2. 7

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  3. 8

    早場米シーズン到来、例年にない高値…では今年のコメ相場はどうなる?

  4. 9

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  5. 10

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪