「タイガー・モリと呼ばれた男」早瀬利之著

公開日: 更新日:

 森寅雄の曽祖父、森要蔵は千葉道場四天王のひとりと呼ばれた剣士だった。寅雄は2歳の頃から乳母に背負われて、後に講談社の社長となる伯父の野間清治が開いていた野間道場をのぞき、5歳で竹刀を持たされた。

 1937年、剣道普及のため、渡米。ハワイやロサンゼルスで剣道を教えるかたわら、南カリフォルニア大でフェンシングをマスターし、カリフォルニア大会で優勝する。1940年、東京で開かれる予定だったオリンピックで、森寅雄は日の丸を揚げることを夢みていた。第2次大戦でその夢はついえたが、1960年のローマ大会で米国フェンシングチームを率いて出場する。

 剣道を通して日米の懸け橋となった剣士の評伝。

(芙蓉書房出版 2640円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘