「菅義偉の正体」森功著

公開日: 更新日:

 秋田県初の総理大臣となった菅義偉の評伝。

 不動のナンバー2として安倍長期政権を支えた氏は、豪雪地帯から上京し、門閥や学閥も持ち合わせず、さまざまな苦難を乗り越えて現在のポストにたどり着いたというイメージを周囲に植え付けてきた。そもそも農家を継ぐことに抵抗を感じて集団就職で上京した、という本人が好んで語るプロフィルにも脚色があるという。

 氏の父親は単なる農家ではなく戦後、イチゴ農家として中央にもその名をとどろかせた大物だった。少年時代から青年時代、そして国会議員へと時を経るにしたがって生きる姿勢を変えてきた氏の人生を克明に取材。昨秋の自民党総裁選の舞台裏にも迫りながら、「叩き上げの苦労人」という虚飾の仮面を暴き、その素顔を明らかにする。

(小学館 1000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」