「てんまる」山口謠司著

公開日: 更新日:

 書名の「てんまる」は、日本語の文章を書くときだけに使われる記号「、」「。」のこと。例えば「ここではきものをぬいでください」(ここでは、着物を脱いで下さい)(ここで、履き物を脱いで下さい)のように、日本語はどこに「、」を打つかによって、意味が大きく変わってしまう。一方で、結婚式の招待状などには、文章を切る「てんまる」は、「絆を切る」につながると、縁起をかつぎ、入れないことになっている。

 文章を黙読する習慣がなかった時代にはほとんど必要がなかった「てんまる」は、明治時代の教育制度の開始と同時に生まれたという。

 古典からマンガまで、多くの作品の「てんまる」に注目しながら、その歴史と日本語に果たした役割を考察するテキスト。

(PHP研究所 1056円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー