「方言漢字」笹原宏之著

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 方言同様、漢字にも地域の差がある。そうした各地に存在する「地域漢字」や「地域音訓」を「方言漢字」と名付けて解説する日本語ウンチク本。

 札幌のマンホールに書かれていた「札」の旁(つくり)が「ヒ」のように記された異体字、アイヌ語の「ポロ」に近い訓読みの発音を持つ「幌」が定着して、「幌北(こうほく)」「幌西(こうさい)」と音読みされた地名、さらに北海道大学で作られたという「鯳」(すけそうだら)や、空港で見かけた「𩸽」(ほっけ)といった必要性に迫られて生まれた文字など。

 北から南まで各地域の方言漢字を取り上げ、中国で生まれた漢字が地域性を得ていく過程を解説。地域の歴史と文化を知る手掛かりにもなる方言漢字の奥深い世界への手引書だ。

(KADOKAWA 960円+税)

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