しずる村上もデビュー 「小説家芸人」急増のウラに出版不況

公開日: 更新日:

■出版社の点数ノルマも一因

 本を出すことで箔をつけたい事情は分かる。とはいえ、自費出版ではなく、そんなに簡単に本を出版することができるのか。そこには、「出版社の切実な事情もある」(出版関係者)という。

「書籍編集者にとって、大物作家や売れっ子小説家を引っ張ってくるという目標はもちろんありますが、出版点数を稼ぐのもノルマのひとつ。『1年に何冊以上』と定められている出版社も少なくありません。連載やコラムで掲載されていないような書き下ろしのものになると、イチからお願いすることになりますが、もともと自社の出版社が出している雑誌での連載なら、書籍化はスムーズ。特に芸人さんはオファーを受けてくれる方も多いし、芸人サイドからの売り込みもあるので、担当編集者にとってもありがたい存在なんです」

 手っ取り早いノルマ稼ぎという一面もあるようだが、「粗製乱造」という声は否定できないはず。

 お笑い芸人は「猫も杓子も小説家時代」が到来――。小説家の値打ちも安くなったものだが、薄っぺらい本が世の中にあふれれば、悪貨が良貨を駆逐するのも必然。なるほど、読む本がないのでは活字離れが進むわけだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  4. 4

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  5. 5

    timelesz篠塚大輝“炎上”より深刻な佐藤勝利の豹変…《ケンティとマリウス戻ってきて》とファン懇願

  1. 6

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  2. 7

    国民民主党“激ヤバ”女性議員ついに書類送検! 野党支持率でトップ返り咲きも玉木代表は苦悶

  3. 8

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  4. 9

    波瑠のゴールインだけじゃない? 年末年始スクープもしくは結婚発表が予想される大注目ビッグカップル7組総ざらい!

  5. 10

    アヤックス冨安健洋はJISSでのリハビリが奏功 「ガラスの下半身」返上し目指すはW杯優勝