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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

杏主演「花咲舞が黙ってない」はなぜこれほど支持されたのか

公開日: 更新日:

連載コラム「TV見るべきものは!!」】

 今週、最終回を迎える「花咲舞が黙ってない」。先週までの平均視聴率は14%を超えており、他のドラマが低調だったこともあり、一人勝ちと言っていい。なぜ、これほど支持されたのか。

「花咲舞が黙ってない」は、「半沢直樹」(TBS系)同様、銀行が舞台のドラマだ。舞(杏)が所属するのは、トラブルを抱えた支店を指導する臨店班。まず、この設定が効いている。

 なぜなら、毎回、舞が異なる支店を訪れ、問題解決に奮闘できるからだ。水戸黄門が行く先々の藩で悪を暴き、不正を正すパターンを踏襲している。窓口業務のように同じ支店に居続けていたら、舞の活躍は困難だった。

 しかも、舞はあくまでも一般行員である。“天下の副将軍”水戸光圀公のように、印籠ひとつで相手を平伏させることは出来ない。悪の小権力を倒す、正義の大権力ではないのだ。そんな舞が、たとえ相手が上役であっても、間違ったことや筋の通らぬことに対しては、「お言葉を返すようですが……」と一歩も引かないから痛快なのである。

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