“焼津の半次”品川隆二さん 5度のがん手術乗り越え作詞家に

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 60年代半ば、大人気だったテレビ時代劇「素浪人 月影兵庫」に続編の「素浪人 花山大吉」。その立役者が松方弘樹の父で剣の達人を演じた故近衛十四郎さんとおっちょこちょいの渡世人、焼津の半次役の品川隆二さん(84)の名コンビだった。品川さん、今どうしているのか。

■肺がんを機に作詞を開始

 JR京都駅からクルマで約25分。北区紫野の自宅を訪ねると、小説や歴史書、映画関係の書籍が積み上げられた8畳ほどの応接間に通された。

「ここ17年ほどの間に肺を2回、膀胱2回、前立腺1回の計5回もがんの手術を受けたんだよ。おまけに8年前には転んだ拍子に左足のヒザのお皿を粉砕骨折して、杖なしではまともに歩けない。ホント、あちこちガタがきちまった。しかし、この春で85歳。無理もないかな、ハハハ」

 頭髪は真っ白とはいえ、滑舌は良く、眼光は鋭い。

「俳優の方は体力的な問題もあってとんとご無沙汰なんだけど、肺がんを機に作詞を始めてね。有名どころだと、鳥羽一郎が99年に歌った『彼奴』(作曲・船村徹)、翌2000年に宮史郎で発売した『女の劫火』(同・橋田充哲)あたりか。レコーディングされてない曲を含めると、かれこれ60曲は作ってるよ」

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