<上>僕は随分長い間、2番手、3番手の俳優でした。でも…

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 当時は電車に乗ると、周囲の人に避けられるなんてことはしょっちゅうありました。橋爪功っていう名前は知らないけれど、ドラマで見るちょっとだけ嫌な役のアイツだって。そういう自分に対する世間のイメージが何とも心地良かった。まさに「俺の人生極まれり」って感じでしたね。大阪人なので、自分を貶めたり笑いものにしたりすることが苦にならない。ふてぶてしいというか、野放図というのか。照れ隠しだろうって思ってくださる方もいますが、女房に言わせると「あなたはもともとデリカシーのない人」。まあ、へそ曲がりなんでしょう(苦笑い)。

 小人閑居して不善をなす、なんていいますが、人間は暇だったり一人きりでいたらロクでもないことをしでかすもの。それでも誰もが、大なり小なり自問自答するような苦しみを抱えていますよね。そこから逃げ出すのにフィクションは有効なんです。僕はたまたま役者という商売を選びましたが、趣味でもなんでもいいですよ。こんなひねくれ者が生き延びれてこられたのは、フィクションの世界に身を置けたからというのが一番大きいように思いますね。
(つづく)

▽はしづめ・いさお 1941年、大阪府出身。文学座、劇団雲を経て、75年に演劇集団円の設立に参加。以降、舞台・映画・テレビ等幅広い分野で活動。今週27日から主演作「家族はつらいよ2」(山田洋次監督、松竹系)が公開となる。

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