12歳で母代役 サヘル・ローズ“織り子”ホロ苦デビュー秘話

公開日: 更新日:

 それでも、受話器を置いた母は怒鳴ることもなく、きちんと向き合って説明してくれたんですね。それで仕事に対する責任感、お金を得ることの大変さと、何によって私たちが暮らしていけてるのかを理解しました。即売会での織り子という仕事は、常時あるわけではありません。8月は閑古鳥が鳴き、逆に冬は大忙し。それだけに派遣された店舗では一回一回が勝負です。ミスをしたり、現場やお客さまに不愉快な思いをさせてしまったら次はない……。

 それからの私は手伝いたい気持ちと、激しくなるばかりの学校でのイジメから逃れたくて、学校は二の次で織り子の仕事を優先。最終日にいただけたお給料はいつも封を切らず母に渡していました。この仕事はタレントを始めてからも続け、24歳くらいまでしました。我が家の家計を助けてくれたことへの感謝と、生まれ故郷のペルシャの宝を日本の人たちにもよく知って欲しかったからです。

 絨毯を織るのは、私は人生の歩みのように思います。私という縦糸があり、そこへ周囲の人たちという横糸が絡まり、さまざまな模様ができる。決して一人では完成しないのです。人とのコミュニケーションができてこそ人生という模様が少しずつ仕上がっていく。

 そんなことも学ぶことになる門出の日。それがこの写真です。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”