映画「天命の城」にファン・ドンヒョク監督が込めた思い

公開日: 更新日:

 絶体絶命の窮地、いかに生き延びるか――。それが韓国で大ヒットした映画「天命の城」のテーマだ。ファン・ドンヒョク監督(47)は2017年の韓国での公開当時、「観客はため息ばかりついていました。泣いたり、怒りやもどかしさでいっぱいだった」と振り返る。「でもこの国はどうなるんだという思いから、見なければならないと思ってくれた」という。

 ――なぜ、清(中国)の侵攻にあった「丙子の役」(1636年)を題材に選んだのか。

「直接のきっかけは同タイトルの原作小説でしたが、そこで朝鮮史上、最も悲惨で屈辱的な失敗の歴史的記録に興味を持ちました。完全包囲のなか、2人の家臣が徹底抗戦か降伏で論争を起こし、そのはざまで王が揺れた。そんな内幕もドラマになると思ったのです」

 ――それは現代にも通じると。

「ええ。ちょうど大統領が弾劾され、国民が国の未来に不安を感じていたこともあり、反響を得ることができました。南北問題の他、日本や中国と隣接する韓国では、常に生き延びるための緊張感が必要でした。負け戦からも学ぶ。できるならば消したい過去ではあるのですが、それを忘れてしまうと、また繰り返してしまうかも知れないのですから」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  2. 2

    悠仁さま筑波大進学で起こる“ロイヤルフィーバー”…自宅から1時間半も皇族初「東大卒」断念の納得感

  3. 3

    織田裕二がフジテレビと決別の衝撃…「踊る大捜査線」続編に出演せず、柳葉敏郎が単独主演

  4. 4

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  5. 5

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  1. 6

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  2. 7

    中山美穂さん急死、自宅浴槽内に座り前のめり状態で…大好きだった“にぎやかな酒”、ヒートショックの可能性も

  3. 8

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  4. 9

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  5. 10

    【独自】急死の中山美穂さん“育ての親”が今朝明かしたデビュー秘話…「両親に立派な家を建ててあげたい!」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか