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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

アニメ作品好調も“邦画実写”は低迷…若者が離れた原因は?

公開日: 更新日:

 6月に入って上半期も終盤に差し掛かったが、どうも映画興行が芳しくない。先週末2日間限定で行われた「万引き家族」の先行上映が興行収入1億9000万円の盛況となったが、1月から5月は毎月前年割れの興収となっているのだ。

 ヒット作は出ている。「ドラえもん」「名探偵コナン」の最新作はそれぞれ歴代最高の成績を記録、両アニメは新時代を迎えている。では何が原因かといえば、邦画と洋画の実写作品の低迷である。なかでも顕著なのが邦画で、先月までに公開された邦画の実写で興収20億円を超えた作品は1本もなかった。昨年も同様であったが、10億円を超えた作品は昨年より2本減の6本しかなかった。これは緊急事態だ。

 直近のひと月ほどでは、10億円突破が期待されていた「となりの怪物くん」「いぬやしき」「のみとり侍」「孤狼の血」「恋は雨上がりのように」などが軒並み届かない情勢だ。理由はそれぞれあろう。ただひとつ言えるのは、これまで邦画興行を支えていた若者層が実写版から離れ始めていることだ。

 作品のマンネリ化を指摘するのは簡単だが、おのおのでそれなりにヒットを狙うさまざまな仕掛けを施してはいる。ただそれがこれまでの成功例にのっとった中身だったり、無難な俳優の起用だったりするところに今の時代の難しさを感じる。

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