著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

ジャニーズきっての主演作数 岡田准一と映画の“相思相愛”

公開日: 更新日:

 映画界のゴールデンウイークは盛況だった。昨年実績を上回るシネコンが続出した。牽引したのは、「美女と野獣」や「名探偵コナン から紅の恋歌」だ。ただ、お馴染みの作品ばかりで、実のところ意外性はない。

 そのGW最終盤に公開されたのが「追憶」である。主演の岡田准一(36)は、ジャニーズ事務所所属の俳優、タレントの中でもっとも主演作品が多く、映画と非常に相性がいい。「無限の住人」で不死身の侍が様になっていたキムタクは意外に作品自体が少ない。

「追憶」は監督・降旗康男、撮影・木村大作と大御所2人が話題になったが、筆者がとくに注目したのは青島武と瀧本智行が担当した原案・脚本だ。過去と現在を結ぶサスペンスという体裁をもちつつ、いまの時代が抱える多くの社会的な問題が浮き彫りになる劇構造だった。

 DV、孤児、不況、不倫などが描かれ、過去から現在、犯罪はそれらの問題が複雑に絡み合って生み出される。刑事役の岡田は、犯罪解明に特殊な才能を持ったスーパーヒーローではない。大きな秘密があるとはいえ、市井の人という設定だ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー