追悼・加藤剛さん “大岡裁き”で貫いた人権意識と平和憲法

公開日: 更新日:

 時代劇ドラマ「大岡越前」で江戸時代の名奉行、大岡忠相になりきり、加藤さんはあまたの“大岡裁き”を下してきた。そうした姿は、実生活でも近いものがあったのかもしれない。芸能リポーターの城下尊之氏はこう言う。

「事実関係と違う記事が出され、迷惑というのであれば、訴えたらいいと私は考えています。私もメディアの側ですが、どこか事実と違い、間違っているところがあれば、謝罪や訂正でお応えするのが当然と思っています。そうしたやりとりの中で、より深く取材相手との関係ができて、より良い記事にもつながっていくこともあるからです。加藤剛さんのことはよく存じ上げず、取材させていただいたこともほとんどないのですが、人権という意識やそれを守ろうという面でも、日本芸能界の先駆けだったのですね」

 戦争の悲劇を伝える作品に多く出演した加藤さんはまた「戦争を伝え、憲法を守る。それが俳優としての自分の使命」などと語り、生涯反戦を訴え、安倍首相の狙う憲法9条改憲に反対し続けた。気骨ある俳優であった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗