TVドラマ初回直後にネットで“全話見せ” テレ東の戦略とは

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 AbemaTVやTVer、Huluなど群雄割拠の動画配信サービスだが、完全な“先行配信”は視聴者とテレビ局にどんなメリットがあるのか。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏が言う。

「一度でも放送を見逃したくない人向けに考えられたシステムでしょう。番組が深夜ということもあり、次の放送が見られるかどうか分からない人も多いはず。それなら、まとめて一気に見せた方が多くの視聴数を獲得できると判断したのだと思います。ネット配信は視聴数などのデータがすぐに分かる。より多くの人に見てもらった方がスポンサーや役者さんを説得しやすく、テレビ局にとってもメリットがあります」

 ドラマの視聴率は放送回が進むにつれて次第に下がることがあるが、ネットを使った“一気見せ放送”はむしろトータル的な視聴数を増やせる可能性があるという。

「ドラマの評判が良ければ、“一気見”した視聴者がSNSに感想を書き込み、口コミで話題や流行を追いかけたい人に話が広がります。その人たちがドラマを途中から見たり、ネット配信を利用することでドラマ後半になっても話題が続き、地上波の放送も盛り上がるという流れが期待できます。今回の試みがうまくいけば、他局も追随するでしょう」(井上氏)

 近い将来、GP帯のドラマもネット配信から見るのが当たり前になったりして……。

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