勘九郎の“けなげ”を見る 低迷「いだてん」を楽しむヒント

公開日: 更新日:

 そういう勘九郎の持って生まれた運命も、〈ひたむきでけなげな人物〉を演じさせたら秀逸というところにつながっているのかもしれない、と辻氏は言う。さらには、幼い頃から父に厳しく稽古をつけられてきたことも影響しているのではないかと推測する。

「勘三郎さんが、長男である勘九郎さんには特に厳しく接していたというのは有名な話ですが、勘九郎さんはどんなに叱咤されてもひたすらに食らいついた。中村屋のお家芸である鏡獅子で、我を忘れて一心不乱に舞うさまを見ると、そんな彼のこれまでの生き方が表れているように思えて、胸を打たれます。だからけなげで懸命な役を演じると、見る者の心を掴むのでしょう」

 親子そろって役者となると、親のイメージを踏襲する子供も多い。年齢を重ねた勘九郎にその可能性はあるのか。

「中村屋の総帥となった後も、勘九郎さんには、いい意味で重量感や大物感がない。非常に軽やかなんですね。それが役を演じる上で彼の強みでもある。勘三郎を襲名しても、きっと勘九郎さんには勘九郎さんの味わいが出るのでは? 彼の持ち味であるけなげさや懸命さが年を重ねてどう化けるのか、『いだてん』を見ながらそんな想像をするのも楽しみのひとつです」(辻氏)

 勘九郎の“けなげな演技”は一見の価値アリ。「近世なんて大河じゃない!」と食わず嫌いになるのは損ですよ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自転車の「ハンドサイン」が片手運転ではとSNSで物議…4月1日適用「青切符」では反則金5000円

  2. 2

    柳楽優弥「九条の大罪」23歳新人が大バズり! 配信ドラマに才能流出→地上波テレビの“終わりの始まり”

  3. 3

    世界陸上マラソンで金メダル谷口浩美さんは年金もらい、炊事洗濯の私生活。通学路の旗振り当番も日課に

  4. 4

    田尾監督には感謝しかない 電撃解任の際は一緒に辞めるつもりだったけど…

  5. 5

    政権内で孤立する“裸の高市首相” 「ストレス高じて心因性疾患」を危ぶむ声

  1. 6

    高市首相が自衛隊派遣めぐり安倍側近と壮絶バトル→「クビ切り宣言」の恐るべき暴走ぶり “粛清連発”も画策か

  2. 7

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希がまたも背信投球…指揮官まで「物足りなさ」指摘でローテ降格カウントダウン

  4. 9

    駐車トラブルの柏原崇 畑野浩子と離婚

  5. 10

    高利回りの「個人向け社債」に注目 短期の募集で早い者勝ち