著者のコラム一覧
三遊亭鬼丸落語家

昭和47(1972)年生まれ。長野県上田市出身。平成9年、三遊亭円歌に入門。前座名は「歌ご」。平成12年、二つ目に昇進し「きん歌」に改名。平成22年、「三遊亭鬼丸」襲名で真打ち昇進。NACK5「ゴゴモンズ」メインパーソナリティー。

鬼丸は180年前に…一筋縄ではいかない落語家の名前と襲名

公開日: 更新日:

 46歳2児の父親、埼玉に住んでる落語家の三遊亭鬼丸です。現在、兄弟子の元歌之介、4代目円歌は襲名披露興行真っただ中ですので、今日は落語家の名前と襲名についてお話しします。

 まず名前なんですが、基本は師匠の1文字を付けるのが通常です。例えば談志師匠の弟子が志の輔、談春、志らくみたいな。うちの円歌一門も基本は「歌」が付きます。この場合の歌の1文字しばりなのは、円楽、円菊、円蔵みたいに円(圓)を使う名前が多いからです。じゃあなぜ私が歌の付かない「鬼丸」という名前かというと、簡単に言って弟子の人数が多くて私の時には名前が残ってなかったからです。さらに円歌の「歌」一門とは別にもうひとつの「歌」一門、歌丸師匠の一門がありまして、歌の字を持つ名前はほぼ定員オーバーの状態に。

 そんな落語家の名前が足りないのと人数が飽和状態の救いの一手が「襲名」です。今回のうちの兄弟子のように名跡(有名な名前)を豪勢なパーティーや興行で行う襲名と、昔あったけど誰も継いでいなかった空いてる名前を真打ち昇進と同時にしてしまう襲名があります。私の名前「鬼丸」は、およそ180年前に使われていたそうですが、誰も継いでいなかったのと遺族らしい方もいらっしゃらないので、真打ち昇進と同時にすんなり使わせてもらってます。遺族が、というのは名前ってその芸人が死ぬと遺族が保有してることが多いんです。他に弟子や協会、寄席の席亭が持ってる場合もありますが。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る