「やくざの墓場 くちなしの花」極道と警官が癒着するワケ

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 こうしたヤクザとの癒着は実際に起きていた。多くは賄賂欲しさで魂を売ったが、本作の黒岩は少し事情が違う。ヤクザに友情を覚えて杯を交わすという驚きの行動を取る。

 ヤクザと警官にシンパシーが生まれるのはゲバルトという共通項があるからだろう。暴力団は暴力を振るうのが仕事。警察は彼らを暴力的に取り締まっておまんまを食べている。ゲバルトの土壌が両者の親近感を増幅させる。それは70年安保の過激派新左翼がその後、右翼勢力と交流した現象に似ている。

 一方、一般人にも「ヤクザは必要悪」との考えが浸透。先日、渋谷の寿司店店長と話をしたら「ヤクザは社会の潤滑油。消滅することはない」と言われた。そういえば、阪神・淡路大震災(95年)のとき、神戸の山口組が住民に食料の炊き出しを行い、芸能人から称賛の声が上がった。怖い人間が善行をすると過剰に感激するのが日本人の気質。悲しきマゾヒストだ。 (森田健司)

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