彼女にはカードを…志村けん「酒と女と笑い」に捧げた70年

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルス肺炎で急逝した志村けんさん(本名・志村康徳)の訃報が日本列島を涙で濡らしている。

 酒を愛し、女を愛し、そして笑いで列島を明るくした70年の人生。ザ・ドリフターズの人気メンバーで老若男女に親しまれ、「8時だョ!全員集合」での「東村山音頭」「ヒゲダンス」、冠番組では「バカ殿様」「変なおじさん」などのキャラクターを生み出し、「アイーン」「だっふんだ」などのギャグでお茶の間を沸かせた。

■独身貴族

 酒は晩年も飲み歩きをやめず、後輩芸人からは「夢がある」ともてはやされた。高級すし店ですしをつまみ、銀座の高級クラブへハシゴ。美女をはべらせて飲んだあと、「次どうしますか」と水を向けられると「すし屋行こうか」と答えたりするのだという。

「ご本人は『本当言うと安い居酒屋が口に合うんだ』とおっしゃっていました。サラリーマンでワイワイ、ガヤガヤするような大衆酒場の暖簾をくぐり、カウンターでグビグビやったりするような。そこで誰彼構わず盛り上がっちゃう。ただ帰るときに運転手付きのロールスロイスが迎えに来る。麻布十番や西麻布界隈での目撃情報は枚挙にいとまがない」(ワイドショー芸能デスク)

タイプは20代美女

 無類の女好きでもあった。

「タイプは20代の若い女。美形や巨乳だったら、もっと好きで、相手がタレントなら番組での共演を持ち掛けたり、座長公演の舞台に呼んだりしてお近づきになる。そして飲みに誘って口説くのがパターンでした。いろんな美女たちとの浮名を流し、結婚秒読みと噂された相手もいましたけど、ゴールインまで行かなかったのは、しばらくするとまた新しい若い女が出てきて、そっちに目移りしちゃうから。女たちが放っておかなかったのでしょう」(ある放送作家)

 結果として、生涯独身貴族を貫いた。ベテラン芸能記者の青山佳裕氏も麻布十番でのデートを目撃している。

「モテますねえってお声がけすると、かなり酔っぱらったご様子で『嫁さん欲しいんだよ。だからねえ、毎晩良い子探しに旅に出ているんだ』って笑ってくれました。でも実は共演者やスタッフを連れての反省会。本当に仕事熱心なんだなあと思ったものです。とはいえ、肩ひじ張ってのものじゃない。公私ともにエンジョイする人生の達人に見えました」

■付き合うとカードを渡して…

 芸能リポーターの城下尊之氏はこう言う。

「女の子も好きだけれども、お酒の席はもっと好きなのだというお話を志村さんから伺ったことがあります。酒席宴席での評判もすこぶる良かった。とにかく金払いがきれいで、高級なお店を何軒はしごしても、全てパーッとおごられるそうです。また、付き合うことになった女性にはカードを渡して、好きなように使ったらいいと。別れることになってしまったときも、ドカンとまとまった金額を相手に渡されていたそうです」

 昨年、日刊ゲンダイのインタビュー取材ではこんなことを語っていた。

「それまで自分の人生で大事なのは、『仕事、酒、女』の3つで、そのどれもが充実していて、三角形のバランスが取れてることが大切だと思ってました。そこに『健康』という要素が加わって、四角形になりましたね」

 昭和、平成、令和を駆け抜けた不世出のコメディアンの命を奪った新型コロナ。早すぎる死が無念だ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  3. 3

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  4. 4

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  5. 5

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  1. 6

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  2. 7

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  3. 8

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 9

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  5. 10

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情