海老名香葉子さんは「後ろ盾がいない」2人の息子を真打ちにした
年末にエッセイストの海老名香葉子さんが92歳で亡くなった。言わずと知れた、昭和の爆笑王、先代の故・林家三平さんのおかみさんだ。三平さん亡き後、林家一門をまとめ、長男を9代目林家正蔵という名跡に、次男を2代目林家三平として育て上げた人だった。
僕がまだ駆け出しのスポーツ紙記者の頃、今の正蔵はこぶ平の名で二つ目だったが、当時の落語協会会長の故.5代目柳家小さんの肝いりで真打ち昇進試験が行われ、こぶ平も数人の受験者にまじって試験に臨んだ。
受験者は多くのベテラン落語家の前でそれぞれ芸を披露したのだが、こぶ平は真打ちになれなかった。僕はたくさんの落語家たちを大いに笑わせたのに落ちたのを不思議に思い、審査員の一人に尋ねた。「確かに一番面白かったよ。まあ、でも古典をやったわけじゃないし、後ろ盾になる師匠がいないもんなぁ……」ということだった。


















