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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

全国区にこだわらず…山口智充が大切にする「自分」らしさ

公開日: 更新日:

 この番組でも山口は「テレビだから」という態度は一切取らない。例えば大人気のラーメン屋のロケの際も他の客と同様、行列に並ぶ。30分番組で、ただただ30分順番を待ち、ようやく店に入り、カウンターに座ったところでエンドロールが流れたのだ。

 この番組は、山口とプライベートでよく遊んでいたディレクターと作家が「遊んでいるときのぐっさんの面白さを、なんでテレビではそのまま出せていないんだろう?」「自分たちがぐっさんの素の部分を出せるような番組を作ろう」と考えて始まったという(ヤフー「Yahoo!ニュース特集」2020年3月8日)。だからこそ、常に「テレビ的」ではない「素」に近い山口を映し出す。

「そこまでどっぷり自分が芸能人だと思っていないんですよね。プライベートではスタッフとも遊ぶし、一般人の友達も多いですから」(同前)と山口は言う。冒頭の番組でも彼は「『芸人だからこうだ』っていう考えも、僕はちょっと否定したいんです」と主張するのだ。

 今や全国区の「テレビ」にこだわらなくても芸人として生きていける。山口にとって大切なのは、いかに「自分」を表現するか、だ。「今まで積み重ねてきたことがいろいろある中で、セルフプロデュースしたものをいかに純度の高い状態で出せるか」(「Yahoo!ニュース特集」=前出)を考えているという。そういう環境がないのなら、綱渡りしながらテレビに出続ける必要はない、と。

「ぐっさんを見てほしい人なんですよ。めっちゃ自分が好きやから」(「ダウンタウンなう」=前出)

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