著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

「後釜政治」しかできないヤツらなどもうアテにはできない

公開日: 更新日:

 今、最も危ない国はアメリカだ。行きたいとも思わないが。600万人のコロナ感染者と18万人の死者を出しながら、各地で警官の暴力と黒人差別への抗議デモもエスカレートだ。それに反抗した白人主義者でトランプ支持者らしき自警団もどきの17歳がライフルで人を殺した。いつまで続くのか。トランプが権力の座から引きずり降ろされたら収まるのか。誰も手が付けられないとは情けない限りだ。

 トランプはこの自警団を煽って擁護してるただのバカだ。しかも自分の無能を隠し、対立候補バイデンに嫌がらせを言うだけで精いっぱいだ。この愚か者、大統領の座布団はもう二度とカネで買えないと諦めたのか、テレビで見るとそんな顔をさらしていたが。

 社会混乱が起こると、必ず「自警団」が現れるのはどこも同じだ。先日9月1日は、97年前に関東大震災の忌まわしき記念日だったが、マスコミはニュースにあまり取り上げなかった。

 この大震災が起きてすぐに出た流言は「社会主義者が朝鮮人と協力して放火してる」というものだった。東京や横浜に火災が広がったその夜、横浜の本牧辺りで「朝鮮人が放火した」と彼らだけ加害者にした流言に変わり、やがて「戸塚の朝鮮人200人がダイナマイトで来襲」「上野公園の井戸に毒を投入した」など噂だけが独り歩きし、各地の在郷軍人会や青年団が「自警団」を組んで、朝鮮人狩りをして殺したのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ