著者のコラム一覧
SALLiA歌手、音楽家、仏像オタク二スト、ライター

歌って作って踊るスタイルで話題を呼び、「イデア」でUSEN 1位を獲得。2018年より仏像オタクニストの活動を始め、初著「生きるのが苦しいなら」は紀伊國屋総合ランキング3位を獲得。近著に「アラサー女子、悟りのススメ。」(オークラ出版)がある。

興収100億円超「鬼滅の刃」ヒット3要素オタクニストが解説

公開日: 更新日:

 劇中では、呼吸を使って技を繰り出すシーンがあるが、そのシーンはもはや「アート」といっていいほどの芸術性が存在している。今回の劇場版は、大きなスクリーンで見てこその価値があるが、それも計算され尽くした、緻密かつ繊細な作画もこの映画の大きな魅力といえる。

■魂が震えるキャストの演技

 主人公側の人間に正義や信念が存在しているのは想像に容易いが、敵側にも目指すべき理想や信念は存在している。

 鬼滅の刃は勧善懲悪の物語ではない。違う価値観を持った人間と鬼(元人間)の命のやりとりなのだ。それぞれのバックボーンが全て描かれているわけではないが、それぞれの立場や人生を感じさせるキャストの素晴らしい演技が光っていた。

■生老病死があるからこそ人の命は美しい

 今作、描かれていたのは「生老病死に立ち向かう人間の姿」だった。人間はどんなに何かを極めても、必ず衰えてしまう。生老病死という決定事項を避けることはできない。しかし対峙する鬼は、その生老病死を乗り越えた存在である。主人公たちはそんな鬼に生身で立ち向かい、命を燃やしていく。鬼は死なず、老いもせず、怪我もすぐ治る。その事実に誇りを持っている鬼もいるが、実際は命に付随した「苦しみ」から逃げているだけの存在に過ぎない。生老病死と立ち向かうからこそ、瞬間瞬間の命の美しさが生まれ、それが命の尊さへと結びつく。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃