著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<12>「相談がある」電通上司が社員食堂で告げた言葉の真意

公開日: 更新日:

 自分から電通を辞めたって言ってるけど、クビになっただけなんだよね(笑)。ある日、上司に「相談がある」って呼ばれて、上のほうで問題になってるって言われたんだ。で、「どうする? もとの『さっちん』に戻るか?」ってね。「もとの『さっちん』」ていうのがおかしいだろ(笑)。その頃は、写真展やる場所もないから、銀座にある「キッチンラーメン」っていうラーメン屋さんの壁で写真展やったりしてたんだ。店のオヤジに頼んで、「食欲と性欲の写真展」と称して、いろんな絵を飾ったりしてる壁に裸の写真を並べてガーッとやったりしてた。それが、その当時『平凡パンチ』とかにドンドン書かれるわけ。「あの電通の女陰カメラマン」とかね。

 もうしようがない、辞めちゃおうって、その場で返事したんだ。でもさ、そんな重要な話を、社員食堂でだぞ(笑)。会社は銀座なんだから「一杯行くか?」ってクラブにでも連れてって、飲んだ勢いで言ってくれりゃいいのに、社員食堂で、カルピスかなんかでだよ(笑)。でも、オレ、ついてたよね。電通も9年目で、向こうがそういうふうにしてくれたんだって。もし10年会社にいたらダメだった。その部長が偉かったよ。「おまえは辞めたほうが伸びる。こんなところにいるんじゃない」っていうことを、暗に言ってくれたんだよ。で、「ほんとはクビなんだけど退職金のことがあるから」ってね。

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