元祖歴史アイドル・小日向えりさん 芸能界から引退した今

公開日: 更新日:

 元祖歴史アイドルとして、戦国武将、城郭、そして中国・三国志の特集番組、クイズ番組に引っ張りだこ。本日登場の小日向えりさん(33)だ。人気、実力ともにナンバーワンだったが、昨年5月、芸能界から引退した。近況を直撃!

  ◇  ◇  ◇

「今日、西麻布から引っ越してきたばかりなんです。会社のプレートすら準備できてなくて……」

 東京・渋谷。NHK放送センターそばの瀟酒なオフィスビルに行くと、白いジャケット姿の小日向さんが笑顔で迎えてくれた。耳元に可愛い真珠のイヤリングが揺れている。

 会社、とは2017年7月12日に立ち上げた「ぴんぴんころり」。“城”は7坪ほどの広さだ。

「弊社は“おせっかいな ご家庭サポート”をキャッチフレーズに、掃除、料理、洗濯、子育て、収納整理、買い物代行など家事全般を、近所に住んでいる実のお母さんのようにお手伝いをする会社です。従来の家事代行ではやらない、ペット散歩、シャツやジャケットのボタンの補修なども、おせっかいさせていただきます」

 例えば、ベビーシッターは子供を寝かせて手が空いていても料理や掃除はしないが、規定時間内ならどんどんやってしまう。

「月2回・計5時間内で1万2000円(税別)のコースからありまして、応相談。1回あたり交通費を別途一律700円頂戴しています」

 登録中の“母さん”は、ほとんどが60代前後で、東京、千葉、茨城、埼玉、神奈川に約320人在籍している。

「『働くシニアを応援する』という目的を第一に生まれたサービスですので、随時、募集しています」

 一方、利用家庭は4月1日現在、約120世帯だ。

「当初、お客さまは一人暮らし男性を想定していたのですが、蓋を開けてみると30代、40代の共働きファミリーが半分以上です。一昨年まで順調に契約件数、売り上げは伸びてきていたのですが、昨年は新型コロナ禍の影響で売り上げが足踏み状態。それでも年明けから契約や問い合わせが急増しています」

 最近はリモートワークで夫婦そろって自宅にいるため、「双方が煮詰まってくる」との理由で、息抜きのために依頼するケースが目立つという。

「料理が得意、掃除ならお任せ! など“母さん”にも得手不得手があります。もちろん相性も大事。それでご要望をお伺いしてマッチングし、30分の“お見合い訪問”の上で、お決めいただいています。詳細は弊社HPや情報ウェブサイト『ミソシル miso-shiru』をご覧ください」

芸能界を引退して“背水の陣”

 それにしても、だ。なぜ、こんなサービスを?

「7年前、当時80歳だった祖母が飲食店関係の仕事をやめてから急に元気がなくなり、その揚げ句に骨折して入院したことがあったんですね。その姿を見て、『働く意欲がある高齢の方々に生きがいとなるような仕事を提供できて、ご利用者に喜んでもらえたらいいなあ』と思ったんです」

 歴ドルの知識を生かし、12年からオリジナル歴史グッズの通販会社「黒船社中」を経営しており、起業経験はあった。

「祖父母や父をはじめ、親戚にも自身で起業した経営者が多い、という環境です。私も20歳くらいから会社を立ち上げたいと考えていて、それを実現させたワケです」

 社名を聞いて、ギョッとした人もいるかもしれない。

「『ぴんぴんころり』は、高齢になっても病気や寝たきりとは無縁、ぴんぴんと元気で思い残すことなく人生の幕引きを迎えること。『ころり』なんて不謹慎! と怒られそうですが、ポジティブな言葉としてあえて加えました」

 15歳からモデルを始め、歴ドル時代はレギュラー番組多数。大ファンと公言していた真田幸村(信繁)が主人公のNHK大河ドラマ「真田丸」(16年)放映中は、毎週のように幸村の本拠地・長野県上田市へイベントやツアーガイドとして訪れていた。歴ドルとの“二足のわらじ”は考えなかったのか?

「会社経営って、そんなに甘くないと思います。創業時も引退を考えたのですが、会社をさらに大きくするタイミングだったので、背水の陣を敷き、退路を断ちました」

 目指すは株式上場。覇者となる日は来るのか?

(取材・文=高鍬真之)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  1. 6

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  2. 7

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  3. 8

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも