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平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

RCサクセションのライブに客は5人しかいなかった

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 LOFT3店舗目となる「荻窪ロフト」(1974年11月オープン)のライブスケジュールを振り返ってみる――。77年11月と78年2月にサザンオールスターズ、アルフィー、そしてRCサクセションが<同じ月>にライブをやっている。あり得ない超豪華なブッキングである。この3バンドが一堂に会すれば、東京ドーム10デイズも夢ではないだろう。でも、あの頃は3バンドとも本当に人気がなかった。彼らは10人の客を集めるのにも苦心惨憺していたのだ。

 RCは荻窪以外に75年12月オープンの「下北沢ロフト」、76年10月オープンの「新宿ロフト」でもライブを何度もやってくれた。ボーカルの忌野清志郎さん、ギターの仲井戸“チャボ”麗市さんらメンバーとロフトは、とても良好な関係を保っていた。ロフトの関係者全員が「これから一気にメジャーに上り詰めていくバンド」としてRCを高く評価していた。

 音楽業界の七不思議のひとつといわれていた。

「あれだけいい音を出しながら、あれだけいいパフォーマンスをやっていながら、どうして客が入らないのか?」

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