主演作「ファーザー」アンソニー・ホプキンスの怪優際立つ

公開日: 更新日:

 その後アンから、新しい恋人ができ、ふたりでロンドンからパリへ移住すると告げられて、ホプキンスは動揺するが、今度はアンと結婚して10年以上になるという不愛想な男が現れ、いつまで居候するつもりかと、詰め寄ってくる。

 新しい介護士として、面接に来た若い女を気に入るが、翌日やって来たのは全く別の中年女。アンの下にもうひとりの娘ルーシーがいたはずだが、どこにもいないし、入れ代わり立ち代わりする面々といい、何がどうだか分からなくなる。そして鏡を見て、ついこんなことを口走る。

「ところで、私は一体誰なんだ」

 夢の中で迷路をさまよっているような、それが現実をもむしばみ、立っている床すら沈んでいくような。主人公が宇宙の無重力空間に投げ出される映画「ゼロ・グラビティ」のような不安と恐怖がせり上がってくる。

 認知症、介護、終末医療は国境を超えてタイムリーな問題だが、ドラマチックな展開も、涙を促すような感動の場面もない。あるのはホプキンスが認知症を体現したとされる熱演、臨場感である。ホプキンスはこう言っている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網