主演作「ファーザー」アンソニー・ホプキンスの怪優際立つ

公開日: 更新日:

「お父さん、お父さん!」

 ヘッドホンで音楽を聴いていると、ひとり暮らしの部屋へ怒った顔の娘アンが入ってくる。

「何の用だ」

「何だと思う?」

 アンソニー・ホプキンス(83)が第93回アカデミー賞で史上最高齢の主演男優賞に輝いた映画「ファーザー」の冒頭。介護士アンジェラから電話があり、「くそアマ」などと暴言を吐かれた揚げ句、身体的な脅しを受けたと涙ながらの訴えがあったと娘は追及する。

あの女は狂ってる。辞めさせて当然、ましてや盗っ人だ。罠を仕掛けて置いた私の腕時計がなくなっているぞ」

「どこに置いたの」

「さぁ」

 語気を荒らげて、反論するが、肝心なところで忘れたり、分からなくなる。ホプキンスが演じる自分と同じ名前で同じ誕生日の父親は軽くない認知症で、認知症であるということも認知していない。原作は世界30カ国以上、日本では橋爪功主演で上演された舞台だ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー