著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<16>自叙伝を出版するのにドン・ファンは金を出し渋り約束を反故に…

公開日: 更新日:

■会社で直談判

 とはいえ、2カ月を費やして書き上げた仕事である。黙って手をこまねいているわけにはいかない。2016年の夏前、大阪に取材に行った折に田辺まで足を延ばし、直談判をすることにした。

「おはようございます」

 従業員が誰も出社していない早朝にアプリコに単身乗り込むと、ドン・ファンはひとりで新聞に目を通していた。私を見るとギョッとした表情を浮かべ、目が泳いだ。

「お約束はどうなったんですか」

 声のトーンを落として静かに聞いた。

「ああ、あれなあ。もうええですわ」

 こちらを見ないで新聞に目を落とし、笑ってごまかそうとする。

「ほう、そうですか。困ったもんですね」

 怒りに火が付きそうなのをなんとかこらえていた。

「いろいろ、お世話になりましたね」

「ちょっと待ちなさいよ。そんなの勝手すぎるじゃないですか。ボクも時間と労力を相当使って調べて書いたんですから、約束を守っていただかないと困ります」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」