著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<12>同棲から妊娠…ジャニーズ事務所は解雇、ホステス業は産休に

公開日: 更新日:

 フォトを見ると、少し矢住代のお腹が膨れているように見える。それもそのはず、このとき彼女は妊娠していたのだ。モデル、女優、「姫」のホステスと、高給を稼いでいた飯野矢住代だが、妊娠した事実は当然大問題となった。

 まず、激怒したのは所属事務所・ジャニーズ事務所のメリー喜多川だった。もともとメリーは、矢住代がバンドマンと同棲することに大反対だった。奔放な性格が矢住代の魅力であることは認めながら、手綱を握っておかないと、糸の切れた凧のように飛んでいってしまう危うさをメリー喜多川も、感じていた。その矢先の妊娠報道である。ほどなくして、矢住代はジャニーズ事務所を退所している。事実上の解雇だった。

「姫」のマダム・山口洋子も困惑を隠せなかった。これ以上、バンス(前借り)に応じるわけにはいかない。それどころか、お腹の大きいホステスをありがたがる客がどこにいるのだろう。洋子はジョニーを店に呼び出すと「生活力もないのに子供なんかつくって、どういうつもりなの。女は子供を産んだら働けないのよ」と強くなじったという。また「週刊平凡」(70年1月15日号)によると、矢住代自身もさすがにまずいと思ってか、ジョニーに「もう、バンドはやめて働いて」と迫っている。これに対しジョニーも「バンドはやめるよ」と返答している。記事ではその顛末をこう伝える。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ