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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

迫る韓国大統領選 映画「偽りの隣人 ある諜報員の告白」でも分かるリベラルが民主的とは限らない現実

公開日: 更新日:

 冒頭でフィクションと断っているが、1985年といえば軍事独裁政権と民主化運動が激しく対立していた時代。渡米していた金大中(キム・デジュン)元大統領が韓国に帰国した年であり、映画と同じように自宅軟禁に置かれた。登場人物のモデルになったことは容易に想像できる。

 映画では「保守=悪」で、「リベラル=自由、民主的」といった印象を受けるが、今の韓国はそうではない。国家機関の「高位公職者犯罪捜査処」が、検事総長時代の職権乱用等の疑いで尹氏を立件したのだ。野党の有力候補を狙い撃ちした形で、映画の中の正義と悪が完全に逆転したように感じる。

 正当な立件か、政治的な策略か。韓国人に聞いても、保守とリベラルのどちらを支持するかによって意見は真っ二つに分かれる。その上、世論調査も数字が捏造(ねつぞう)されているとの指摘があり、発表される支持率はアテにならないという。

 こうした政治不信があるせいか、韓国には面白いクイズがある。ソウルのド真ん中を流れる漢江(ハンガン)で大物政治家と絶世の美女が橋から落ちて溺れている。どちらを先に救助するべきか?

 私は「絶世の美女」と答えたが、正解は大物政治家だった。理由はいたって単純だ。

「早く政治家を引き上げないと川の水が汚れるから」

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