著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<17>「もう一度、昔の2人に戻りましょう」再び銀座の世界へ

公開日: 更新日:

 1969年の師走、予定日より2カ月も早く男児を出産した飯野矢住代だったが、早産の影響もあってか、翌23日夕刻、男児は亡くなった。24時間足らずの短い生命だった。

 年が明けて1月22日、矢住代は「姫」に復帰した。今までのように芸能との「二足のわらじ」ではなくホステス一本となったが、それでもマスコミは矢住代を追いかけた。“スターホステス”の威光は健在だったのである。

《夕刻4時、青山のクラブで働く夫・ジョニィを送り出した矢住代は、銀座の「姫」に勤めに出る用意にかかる。(中略)「姫」にはいるのが7時30分。服を着替えて、夜中の11時30分まで、4時間、「姫」のホステスだ》(「週刊平凡」1970年5月7日号)

 このままジョニーとの同棲生活が続くかと誰もが思ったが、入籍はしていなかった。「どうして籍を入れないの?」と聞かれると「ちょっとね」と矢住代は笑ってごまかした。実はこの時点でも、ジョニーは日本国籍を有していなかったのだ。

 3月に入ったある日のことである。「俺、もう一度、音楽をやりたいんだけど」とジョニーが言ってきたと「週刊平凡」は伝える。状況が変わったことで、ジョー山中らかつてのメンバーが声をかけてきたか、もしくはジョニーの方から声をかけたか、そのどちらかだろう。彼はどんなドラマーだったのか、改めて音楽評論家スージー鈴木氏のジョニー吉長評に耳を傾けてみたい。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    陰謀論もここまで? 美智子上皇后様をめぐりXで怪しい主張相次ぐ

  2. 7

    白木彩奈は“あの頃のガッキー”にも通じる輝きを放つ

  3. 8

    渋野日向子の今季米ツアー獲得賞金「約6933万円」の衝撃…23試合でトップ10入りたった1回

  4. 9

    12.2保険証全面切り替えで「いったん10割負担」が激増! 血税溶かすマイナトラブル“無間地獄”の愚

  5. 10

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?