著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<18>世間に求められるがままの「虚像」を忠実に演じていたのか

公開日: 更新日:

 バンドマンのジョニー(その後のジョニー吉長)との同棲生活を解消した68年度ミス・ユニバース日本代表の飯野矢住代は、原宿のマンションを引き払い、実家と言うべき母の住む渋谷・円山町のアパートに戻った。とはいえ、アパートと銀座の往復という平穏な生活まで戻ったわけではなかった。破局から2カ月後、「週刊平凡」(1970年5月21日号)にて男性モデルと並んでフルヌードを披露している。「わたしの新しい恋」と題したそのフォトには、次の詩が添えられている。

《カレを知って ああカレを知って 「白蛇の妖精のお話」を信じるようになりました 地にもぐり 大地をはい 水に泳ぎ 木に登り 空中に飛ぶ 美しいヘビの姿は わたしたちのものです》(原文ママ)

 何を訴えたいのか分かるようで分からない。文面から、新しい人生を歩もうという決意も感じるが、「あの頃の美しい想い出は返らない」と悔いているようでもある。余談になるが、矢住代の豊満な乳房に顔を寄せる長髪の男性モデル「宮下文夫」とは、のちに世界的キーボーディストとなる喜多郎らとプログレグループ「ファー・イースト・ファミリー・バンド」を結成し、後年はヒーリングミュージックの第一人者となるシンセサイザー奏者の宮下富実夫である。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」