森暢平
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森暢平成城大学文芸学部教授

元毎日新聞記者。著書に『天皇家の財布』(新潮社)、『近代皇室の社会史』(吉川弘文館)、『皇后四代の歴史──昭憲皇太后から美智子皇后まで』(吉川弘文館、共著)、『「地域」から見える天皇制』(吉田書店、共著)などがある。

小室圭さん宅前に報道陣ベタ張り…これは私人へのメディアスクラムだ

公開日: 更新日:

 小室圭さんは公人ではない。紀宮さまと結婚した公務員の黒田慶樹さんに対し、メディアが理由もなく取材できないのと同様である。

 ましてや、小室さんの母親は完全な私人である。彼女は、金銭トラブルという「事件」の当事者としてメディアに追いかけられている。その結果、社会生活を妨げられ、多大な苦痛を受けながら、今日まで声を上げられずにきた。小室さんの自宅には、母親もいるとみられる。自宅前のベタ張りは、小室さんの家族の生活を妨げる人権侵害行為である。

 金銭トラブル、眞子さまとの再会、秋篠宮ご夫妻との面会……。メディアは小室さんを追いかけ回す理由を挙げるであろう。しかし、金銭トラブルはもはやこの結婚とは無関係の私人間の争いであり、眞子さまとの再会は2人の問題、秋篠宮ご夫妻との面会は家族内の問題である。そっとしてあげることがなぜできないのか。

 お二人は10月26日に記者会見をして、説明をするといっている。それで十分ではないだろうか。

 これから小室さんを捉える報道陣は、「今のお気持ちは」「秋篠宮ご夫妻にはいつお会いになるのですか」と無用な問い掛けを続けるだろう。髪を切っていない姿をワイドショーはまた揶揄するであろう。

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