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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<86>ドン・ファンには虚言癖が…「後妻の子供でいじめられた」とウソも

公開日: 更新日:

「携帯電話を返してくれるというから、早貴ちゃんと一緒に警察に行ってくるね」

 野崎幸助さんの遺体が自宅に帰ってきてから1時間ほどすると、家政婦の大下さんが言った。

「うん? 遺体には誰かが付いていなければいけないからね。早めに帰ってくださいね」

「分かりました。では、行ってきます」

 早貴被告と大下さんは笑顔で一緒に車で出かけていった。

「いいかな?」

 リビングに一人でいるとインターホンが鳴らされて、声がした。このインターホンからは外の様子が分かるし、録画ができる機能も付いている。

 玄関に招き入れたのは市内の中心部で酒店を経営しているドン・ファンの兄夫妻であった。ドン・ファンよりも一回り大きな体で、兄弟だけあって似ているが、しゃべり方はおとなしく知的な感じもする方だ。

 お兄さんは足が少々、不自由なために私が手を取って、リビングに連れていった。

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