著者のコラム一覧
児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

韓国の教育熱は日本以上 人生を左右する国家イベント「スヌン」の季節がやってきた

公開日: 更新日:

 スヌンは日本のセンター試験に当たるもので、今年は今月18日に行われる。

 韓国の学歴社会は、中国から導入した試験制度“科挙”に始まる。古くから官僚は科挙によって選ばれており、まさに立身出世のための登竜門だった。

 今月19日から日本で公開される韓国の時代劇映画「茲山魚譜-チャサンオボ-」でも科挙の様子が描かれている。朝鮮王朝時代、政治犯の流刑地にもなっていた黒山島(フクサンド)で暮らす貧しい漁夫が学問に励んでいた。

 知識を身につけるというよりも、科挙に合格して支配層の“両班(ヤンバン)”になることが目的だった。両班になれば中央で豊かに暮らせるからだ。

 当時の厳格な身分制度のトップだった両班はいわゆる貴族階級で、今でいう財閥一族や国会議員、大学教授に当たる。科挙に受かる人の多くは両班の子息といわれ、親のコネで合格した人もいただろう。

「傲慢な貴族階級」という記録も残されている両班だが、現在は韓国人の多くが両班出身になっている。戸籍の売買や族譜と呼ばれる家系図の書き換えが横行し、“自称両班”が急増したのだ。

 時代は変わり、身分制度が廃止されたが、今なお人々はよりよい暮らしを求めて熾烈(しれつ)な受験戦争を勝ち抜かなければならない。次に待ち受けるのは就職戦線だ。朝鮮王朝時代を生きた人々はこんな過酷な未来を想像していただろうか。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  3. 3

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  4. 4

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  5. 5

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  1. 6

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  2. 7

    草間リチャード敬太“全裸騒動”にくすぶる「ハメられた」説…「狙った位置から撮影」「通報が早い」と疑問視する意見広がる

  3. 8

    国民・玉木雄一郎代表の“不倫相手”元グラドルがSNS凍結? 観光大使を委嘱する行政担当者が「現在地」を答えた

  4. 9

    「ばけばけ」で注目の阿佐ヶ谷姉妹の“姉”渡辺は公立女子校の超名門「宇都宮女子」出身

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  3. 3

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  4. 4

    ポンコツ自民のシンボル! お騒がせ女性議員3人衆が“炎上爆弾”連発…「貧すれば鈍す」の末期ぶりが露呈

  5. 5

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  1. 6

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  2. 7

    田村亮さんが高知で釣り上げた80センチ台の幻の魚「アカメ」赤く光る目に睨まれ体が震えた

  3. 8

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  4. 9

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?

  5. 10

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」